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ハサミは美容師の命!うっかり触ると思わぬ高額請求も?

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美容師さんにとって、必要不可欠な仕事道具のハサミ。
日々来店してくださる大切なお客様の髪をカットさせていただくからこそ、その道具に対するこだわりも一言では語りつくせません。

美容師さんによって持っている本数は様々ですが、ほとんどの人が最低でも4~5本はもってるはずです。ハサミ好きでこだわりの強い美容師さんは、10本以上も珍しくありません。
ちなみに私は、現在8本持っています。

お客様からは、『たくさんハサミを持っているのはおしゃれですか?』なんて言われてしまうこともありますが、とんでもないです!
美容師さんが持っているハサミにはそれぞれしっかりと役割があり、使用方法が異なります。

ですので今回は、美容師の命ともいえるハサミについてお話をしていこうと思います。

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ハサミの種類

美容師のハサミ

美容師さんの使用するハサミは、大きく分けて3種類あります。
使用方法によって完全に使い分けをしていて、ほぼすべての美容師さんがこの3種類のハサミを持っています。

ベーシックシザー

最も日常的に使用するハサミが、ベーシックと言われるハサミです。
ハサミの両側に刃がついており、ベースカットから仕上げまでの過程で最も活躍してくれるスタンダードなハサミです。

作るヘアスタイルによって使用するハサミを分けている人が多く、長さの違うベーシックタイプのハサミを数本持っている人もいます。

スライドシザー

片方にしか刃がついていないハサミのことを、スライドと言います。
髪を滑らすように使用することで毛量を調整することができ、セニングシザーでは作ることができない、より動きのあるスタイルを作ることができます。

セニングシザー

一般的には”スキばさみ”なんて言われたりもしていますね。
主に毛量調整の際に使用されていて、『スキ率』と呼ばれる割合によって使い分けられます。

スキ率とは一回の開閉で切れる髪の割合を数値化したもので、ほとんどの美容師さんが20%~40%ほどのスキ率のセニングシザーを2本ほど所持しています。

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ハサミの価格がとにかく高い

美容師さんが使用するハサミは家庭用で売られているハサミとは材質も製造工程も全く異なるので、とても高価になります。
一般的には美容師さんが持っているハサミの相場は7万円ほどで、材質によっては1本30万円以上するものも珍しくはありません。

ですので、美容師さんが腰にぶら下げているシザーケースに入っているハサミの総額は最低でも30万円ほどで、中には100万円以上の人も沢山います。

そんな中でも左利き用は特に高く、右利き用より約15%ほど高いお値段が付きます。
これだけ高価なものですから、もし落として傷をつけようものなら大ごとになります。

 

以前、美容師仲間と海外に出張した際の話ですが、現地に到着し税関検査のとき係員がオーナーのハサミに興味を持ち、指を入れてクルクルと回し始めたのですが、うっかりと落としてしまいました。

オーナーは激昂してハサミの弁償を相手に指摘すると、余裕のある表情で笑って聞いていた現地係員は、ハサミの値段を聞いて青ざめていました。
何故ならオーナーの落とされたハサミは1本30万円で、現地の係員の年収に近い金額だったからです。

金額を聞いてからは相手の態度は180度変わり、必死に謝罪していましたが当然許されるはずもなく、とりあえず現地のハサミ屋さんを呼ぶことに。

幸いダメージは浅く、修復不可能なほどではなかったため研ぎに出してその金額負担で済んだのですが、いかに美容師さんにとってハサミが重要かわかって頂けたのではないでしょうか?

 

ちなみに見習い美容師が先輩のハサミを落とした場合は、営業終了後にとてつもなく厳しくご指導いただくこととなります。
新人美容師さんは気を付けてくださいね。

ハサミのメンテナンス

普段から日常的に使用しているハサミは、落としたところで誰も気にも留めないかもしれませんが、美容師さんのハサミは一度落としてしまうと傷ができてしまい、すぐには再使用できなくなってしまいます。

必ずハサミ屋さんを呼んで研ぎに出して、調整を加えてもらってから使用しています。

もし傷がついたままのハサミを使用すると、傷のついている部分に負荷がかかり刃が欠けてしまったりして、再起不能の状態になってしまいます。
ですので、必ずハサミの専門家に出して研いでもらうことになります。

 

ハサミを落としていない場合でも、3ヵ月に1回くらいは研ぎに出す必要があり、それによってハサミの寿命は大きく変わってきます。

メンテナンス費用は1回につき3000円~5000円ほどですが、この場合も左利き用は+1000円~2000円ほど高い金額を請求されますので、左利きの美容師さんは出費がかさんでいきます。

日常的なメンテナンスとしては、仕事終わりにセーム皮とメンテナンス用のオイルを使用してきれいに汚れを拭きとってあげることで、切れ味を維持することができるのですが、なかなか毎日行うことは難しくサボってしまう人も多いです。

私は神経質なタイプなので、一人切るごとに拭くようにしています。

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まとめ

今回は、美容師さんの命であるハサミについてご紹介してきました。
ハサミの種類は今回ご紹介したのは本当にごくわずかで、他にもたくさんあります。

ですが、それをすべて話すと大変な量とイメージしにくい文章になる可能性があるため、かなり省いてお話しをしました。
特に本記事では、いかに美容師にとってハサミが大事なものかということや、その繊細さや高価であることについて書いてきました。

お客様の中にはたまにハサミを触らせてほしいという方や、勝手に触ってしまうお子さんなどもいます。
本当に大事なもので切れ味も鋭いので、お客様自身にも怪我をさせてしまう可能性が十分に考えられます。

ですので、本記事を通してその重要性と危険性が少しでも伝えることができれば幸いです。

 

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