美容室に行くと出してもらえる雑誌。
その選定に、思わずイラっとしたこともあるのではないでしょうか?
今回の記事を書くにあたり、ネットで調べると出てくるのは美容師さんへの辛辣なコメントばかり。
そしてそれについて書かれているHPの記事でよく言われるのは、『何気なく選んでいるであろう美容師さんの出す雑誌に、イライラとさせられている!!』
こんな風に憶測で書かれていては心外でしたので、私たちの苦悩もしっかりと分かって頂きたく、本記事で、どのように美容師が雑誌を選定しているのかについてお話しさせていただきます。
ベテラン美容師でも緊張する雑誌選定
美容室では雑誌をお客様にお出しする際に、注意するポイントがいくつかあります。
まずは、それをご紹介させていただきます。
カウンセリングシートに目を通す
美容室に行くと、カウンセリングシートを導入している美容室がよくありますよね?
その中で特に確認したい内容が生年月日です。一番手っ取り早く、さりげなく年齢を確認できる手段です。
そしてお店によっては好きな雑誌を書いてもらえるように、普段読んでいる雑誌などの項目を書いてあるケースもあります。
ですが、残念なことに4~5割の人は名前や連絡先のみの記載で、ほとんど書いてはいただけないのが現実。
ですが女性にとって年齢を聞かれるのが不愉快というのは、いつの時代でも当たり前のことですので、その場合は諦めるしかありません。
結婚指輪をしているか子連れ
近年では30代以上の女性でも結婚をせず、権力を振りかざす男に依存しない人生を謳歌している方も非常に多くなりました。
そんな中、表紙に子供関連の記載のある雑誌を出すことは禁忌。
何故ならそれは、子供がいる事=女の幸せという古い考えを強要するということ。
これは実際に私の後輩がお客様に言われているのを聞いて私自身、身の引き締まる思いで改めて雑誌を出すのは怖いなと考えさせられました。
ですので、結婚指輪を確認してからカウンセリングの際やシャンプーをしているときに、雑誌の選定のためにお客様の話に子供がいることを匂わす文言が含まれているかということに、聞き耳を立てています。
服装や見た目
最も地雷を踏みやすい選定方法ですが、上記で確認の取れない場合はもうこれしかありません。
服装のジャンルはキレイ系かカジュアル系かを確認したり、年齢を顔や手または髪質や髪型で確認します。
ですが、最近の女性は40代でもまるで30歳前後に見えてしまう方も多く、もちろんその逆パターンもいるのでとにかく難易度が高いです。
服装についてもそのときたまたまということが多く、中には部屋着で来店される方もいるので判断を付けることができません。
実際自分も一人で出かけるときは殆どパジャマのまま出かけるなんてこともあるので、これも美容師にとっては選定する雑誌を間違える要因の一つなんですよね。
雑誌の表紙に出ている芸能人
これも意外と重要です。
本来30代前後の女性をターゲットにしている雑誌でも、そのターゲット層より10歳以上も年上の芸能人さんが表紙を飾るケースがあり、非常に美容師さんを悩ませてしまいます。
そのような加齢とともにキレイさを増す困った芸能人の主な例としては、永作博美さん、石田ゆり子さんなどがいます。
そんな時普段雑誌を読まないというお客様に、若い世代の雑誌をお出ししたにもかかわらず、誤解を招いてしまうことも多々あるのです。
しかも若い人が出てる雑誌を出せばいいというわけでもないので、悩みが絶えませんね。
結局最後は直接聞いてしまう
雑誌は、美容室ではアシスタントが準備することが多いです。
ですが稀にアシスタントが休みやタイミングが合わず、準備できないときがあります。
そんな時は自身で出さなければいけません。
ですので私は雑誌をお出ししたいことを伝えて、どんなジャンルの雑誌を見たいかを聞いてしまいます。結局一番安全で、事故がありません。
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こんな雑誌は嫌だ!美容師を困らせる雑誌の表紙と客の声
出版社の方々もお客様に雑誌を手に取ってもらうために、必死に表紙のアイキャッチを考えています。
そんな中には、美容師を悩ませるキャッチコピーを載せている表紙もあります。お客様からのご指摘と合わせて、ご紹介していきます。
年齢が書いてある
ファッション誌は各社それぞれに特色があり、ターゲットをある程度絞っていますよね?
ですので、明確にそのターゲット層に向けてメッセージを送っている雑誌があり、その最もわかりやすいのが見てもらいたい読者の年齢を載せる事です。
主な例としては、『45歳からは深みのある女』『この夏、30代が着たいカジュアル全部乗せ!』
具体的な年齢層の記載は、その選定を見誤ってしまうと大事故に!
自身で選ぶ場合はわかりやすくとても良いのですが、人に出された場合はイラっとしたと言われても文句は言えません。
危機感をあおる・価格帯をイメージさせる
表紙に良いことばかり書いていては、他社と似通ってしまい埋もれてしまいますよね。
そこで危機感をあおる表現を用いることで目立たせていたり、安さを表現して手軽にそろえることができるなど日常で考えればとても良い表現方法ですが、稀に反感を買ってしまう内容になる危険性も帯びていることもあります。
主な例としては、『30代の8割、メイクが古い!』『さすが!と言わせる40代のコスパ服』
前途した通り年齢が書いてあることもさることながら、「メイクが古い!」なんて書いてある雑誌をお客様にお出ししたら、「私のメイクが古いから勉強しろってこと?」というメッセージを美容師がお客様にしたということになりかねません。
また、価格帯を匂わせる表示の「コスパ」という表現も非常に危険です。
これは私自身の経験でもあるのですが、お客様から笑いながら「貧乏だから安くておしゃれな服探さなきゃね」と言われ凍り付いた事がありました。
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まとめ
美容師が雑誌を出す際に、どんなことに注意しているかが解っていただけたのではないでしょうか?
常に考え注意深く観察し、雑誌を選定しているということを!
ですが、それでも当たっていなければ意味がないということも、美容師自身理解はしています。
もし次回美容室に行ったときは美容師さんが雑誌を選定しやすいように、わかりやすいワードを出してもらえると非常に助かります。
最近ではタブレットを導入して雑誌アプリを利用している賢いお店もありますが、まだまだ雑誌を置いているお店の方が多いので、少しでも雑誌を選定することの難しさを本記事でわかって頂けると幸いです。
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