毎日オシャレな服を着て、オシャレな髪形をして、楽しそうな職場で働いている華々しいキラキラした職業…。
「美容師」というお仕事にこんな風なイメージを持っている方は、結構多いのではないでしょうか?
しかし現実では、過酷な労働条件や過度のストレスにより精神を病んでしまい、退職者が後を絶たない状況となっているのが現状です。
どうして美容師は、うつ病になりやすい職業といわれるのでしょうか。
今回は美容師の観点から、うつ病になりやすいといわれる原因となりやすい人の特徴をお話していきたいと思います。
そもそもうつ病とは?
みなさんは、「うつ病」という言葉を知っていますか?
自分もうつっぽくなったことがある、という方もいれば、言葉は聞いたことあるけれど気持ちの問題なのでは?という考えの方もいますよね。
「うつ病」とは、決して特別な病気ではありません。身近にある病気です。
一説によると、生涯にうつ病になる人は15人に1人いるといわれています。
ですが、4人のうち3人は病院に行っていないそうです。
なぜならうつ病というのは、外的に見えるけがや病気とは異なり心の病気ですから、自覚がない人が非常に多いからです。
うつ病にもレベルがある
うつ病にもレベルがあり、症状も様々です。
なので、気が付かないうちにどんどん症状が深刻になってしまった、という方も多いのです。
症状としては、
- 理由もなく落ち込んだり悲しくなったりする
- なんでも悪いほうに考えてしまう
- 興味や喜びを感じなくなる
- 思考力や集中力がなくなる
- 過食や拒食などの食欲異常
- 不眠
- 倦怠感・疲労感が取れない
などがあげられます。
軽症の場合
自分ではうつっぽいなと思っていながらも日常生活は行えるため、他人には気づかれないことが多い
重症の場合
眠れない・食べれない・動くことができないなど、日常生活に支障が出る
重症になってしまった場合は周りも気付くレベルなので、この段階に来て仕事を辞める人が多いです。
ですが、軽症の場合だと周りには「考えすぎ!」「我慢が足りない!」「ゆとり世代だから」と言われ、そこまで深刻ではないだろうと思われがちです。
そこで本人も我慢をしてしまい、どんどん心が壊れていってしまうケースが非常に多いです。
美容業界は、情熱のある熱い人が多いです。
なので、勇気をもって上司に相談しても、「そんなの気の持ちようだ」「モチベーションの問題だ」「甘えるな」「自分の下積み時代はもっと厳しかった」「やる気がないからだ」と言われてしまうことが多いので、一人で抱え込み、辞めてしまう事が多々あります。
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美容師にうつ病が多いといわれる理由とは?
休みがない
美容師はとにかくお休みがありません!…というと誤解を招くかもしれませんね。
正確に言うと、休日はあります。最近では週休2日制度を導入するお店も増えてきました。
ですが、休みを使って講習や勉強会・練習をしているので、休みを好きに使えない事が多いんです。
休日に仕事の疲れを取り、体を休ませ、気分をリフレッシュさせる!というのがなかなかできないというのが、美容師の仕事なのかもしれませんね。
勤務時間が果てしなく長い
これはお店にもよりますが、平均的に朝の9時から夜の20時まで営業時間で、そのあと片づけをして練習時間が始まります。練習を終えて店を出る時間が、夜の10時や11時なんてこともしょっちゅうです。
休憩時間も、毎日決まった時間にとれるわけではありません。
忙しいときは夜まで休憩がなくてご飯が食べられないことや、立ったままおにぎりを頬張る…という光景もめずらしいことではありません。
本当に体力勝負!といったところですね。
勤務時間に対しての給料が圧倒的に安い
アシスタントのうちはとにかく給料が安いです。手取りで12~16万円のところが、ほとんどではないでしょうか。
スタイリストデビューしても、アシスタントと給料が変わらないようなお店も中にはあります。
それに加えて、勉強会や講習会のセミナー費用やお客様の髪を切るハサミ代、カットの練習で使うウィッグと呼ばれる人形代など、将来の自分への投資額がかなり大きい職業といえますね。
職業性ゆえのストレス
美容師は、「技術職」と「接客業」という二足のわらじを追求する仕事。
お客様にお金を払ってもらっている以上、カットやその他の技術が上手なのはもちろん当たり前で、気遣いや心配りができるかどうか、また、会話のセンスなど接客面でも高度なスキルが必要とされます。
どちらかが一流でもどちらかが三流では、売れるスタイリストにはなれません。
その職業性ゆえに、抱える悩みも多岐にわたります。
美容師に多い性格の気質
うつになりやすい人というのは、「うつになりやすい思考」を持っています。
生真面目・責任感が強い・他人の気持ちに敏感・仕事熱心・几帳面…などがあげられますが、そうなんです。職業柄、美容師に多い性格なんです。
ここにリフレッシュできる休日がないことや、仕事のストレスなどが何重にも重なっていくわけです。
いくら仕事が大好きでも、真面目で健全な方でも、心が壊れてしまう可能性が高くなりますよね。
うつになりやすい美容師とは?
例えば…
- 小さなことでも気にしてしまう変な真面目さがある
- 同期と自分を比べ、卑下してしまう
- 先輩に怒られたり、失敗してしまったことをいつまでも引きずってしまう
- お客様やお店に迷惑がかかるからと、環境から抜け出せない
という人が、うつ病になりやすい美容師といえます。
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まとめ
いかがでしたか?
美容師はうつ病になる人が多いといわれていますが、そもそもうつ病とは、誰しもがなる可能性のある病気です。
美容業界も労働改革が進み、少しずつ労働時間や休日制度など劣悪な労働環境が改善されてきましたが、田舎美容室や、まだまだ昔ながらのやり方を通す美容室が多いのも現状です。
美容師は厳しい仕事ですが、やりがいのある素晴らしい仕事です。
これからの美容業界は、労働環境や福利厚生など様々な面で改善されるべきです。
そして一人でも多く退職者が減り、美容師を目指す方が増えてくれたらいいなと思います。
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