素人さんでもスキばさみを持っているなら、「毛量を減らしてみようかな」と考える方もおられるかと思います。
普通のはさみで髪を切るのは勇気がいりますけれど、スキばさみなら髪の長さは変わらないのでとお考えでしょうが、ちょっと待ってください。
髪も、どこをどのようにすくかでかなり違ってきます。変なところをすいてしまうと、かえってボリュームが出たり爆発したりしてしまいます。
そうならないために、プロの美容師が髪のすき方をレクチャーします。
髪が多くてすいてもすぐ元に戻る場合の対処法
毛先だけしかすいていない
減らした毛量がすぐに戻るというのは、毛先の方だけをすいて減らしているからではないでしょうか。
髪の減らし方にも、毛先を減らす、中間部を減らす、根元付近を減らすやり方があり、我々美容師は頭の部位によりやり方を変えています。
美容師は、毛先だけのすきで毛量調節はしません。
毛先だけでは減らせる量は限られますし、また毛先だけのすきである程度の量を減らすためには、ヘアスタイル自体のフォルムを壊す位にやらなければ出来ないからです。
私たちが毛先をすくのは、毛髪同士のなじみを良くするために行います。
すくだけでは限界がある
毛量を減らすにはとにかく髪をすくって思いますが、たとえば毛量の半分をすくだけで減らそうと思ったら相当すかねばなりませんし、そこまでやってしまうと毛先はショロショロになって言うことを聞かなくなり、髪の長さも短く見えてしまいます。
そんな無茶なことをするより、髪にレイヤーを入れる(段差をつける)方がずっと効果的です。
もしあなたがワンレンやボブなら、是非レイヤーを入れてください。確実に無理なく量を減らせますよ。
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いくらすいても爆発してしまう髪の対処法
髪が爆発するのは、多すぎるからとやみくもにすきまくるからだと思います。
髪をすくという事は、短い毛を作るということでもあります。
短い毛は立ち上がりがつきやすいので、ヘアスタイルの表面になる毛をザクザクとすいてしまうとすかれて短くなった毛が立ち上がり、いわゆる爆発現象が起きてしまうのです。
すいてはいけない部分(イラストグレー部分)
フェイスラインや分け目の両側、つむじ付近、耳上から襟足にかけての生え際から1~2cmの部分。
以上の部分はすいて短くなった髪の毛が出る部分なので、どうしてもすきたければ毛先部分のみすきます。
かなりすいて良い部分(イラスト赤部分)
後頭部のつむじ付近を除いた部分は一番目立たず、短い毛が出来ても表面に出にくい部分なので、この部分は根元付近からすきを入れても大丈夫な場所です。
そこそこにすきを入れる部分(イラスト黄部分)
上記の部分以外は2つの部分のつなぎの部分なので、毛髪の中間部からやり過ぎない程度にすきを入れます。
このように一つの頭でも、その場所に応じたすきを入れれば爆発することなくかなり量をへらせるのではないでしょうか。
髪をすくと毛先が傷んでしまう場合の対処法
もしかしたら毛先をすくのに、レザーを使ってないでしょうか。レザーは簡単に毛量を減らせて便利ですが、髪を斜めにカットするのでどうしても髪が傷みやすくなります。
レザーを使ってないのなら、毛先ばかりをすきすぎているのではないかと思われます。
毛先をすきすぎると毛先ばかりが軽くなり落ち着きが悪くなるので、パサついた感じになるのではないでしょうか。
トリートメントを毛先に残す
シャンプー後のトリートメントは毛先中心に行い、あまりきれいに流してしまわず少し髪に残る感じにしてください。
そうすると毛先が重くなるので、落ち着きが良くなると思いますよ。
カットする
毛先の軽くなりすぎた部分は、切ってしまうのが一番確実な方法です。長さを短くするのが嫌なら段を入れるだけでも良いので、試してみてください。
柔らかそうで軽そうな欧米人の髪に、我々はどうしても憧れてしまいますよね。
日本の美容技術の歴史は、日本人の髪をいかに欧米人の髪に近づけるかを追い求めてきたものではないかと思います。
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まとめ
最近のヘアカラーやヘアカットの技術の進歩には目覚ましいものがあり、それらの技術を駆使すれば、ほぼ欧米人の髪と見分けがつかない位まで日本人の髪を変身させることも可能な時代になりました。
しかし欧米の映画やドラマを見ていると、そこに出演している東洋人の女性は黒髪でロングのストレートヘアにしている人が多いような気がします。
その理由を私なりに考えてみると、欧米人の世界では明るくて柔らかい髪がごく当たり前なので、逆に東洋人の黒くてストレートの髪が新鮮で魅力的に見えるのではないでしょうか。
欧米で暮らす東洋人の女性はその事をよく分かっているので、自分の髪を欧米人に近づけようとせず、あえて黒髪でストレートヘアにしているのではないでしょうか。
我々が欧米人の髪に憧れるように、欧米人は東洋人の髪に憧れているのかもしれません。
外の世界ばかりを見ずに、たまには自分の内面を見てみると意外と面白いものが見つかるかもしれませんよ。
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