最近髪に元気がなくなったので、高価な育毛剤を購入して、せっせと頭に振りかけているあなた。
あながち間違いではありませんが、残念ながら髪の毛は植物ではありませんし、ましてや地肌は畑の土ではないので、外から高価な栄養素を与えても地肌からしみ込んで髪の根元に栄養を与える訳ではありません。
育毛剤の主な役割は、地肌に刺激を与えて成長を促そうと言うものなのです。
髪も私たちの体の一部ですから、口から栄養を入れて血液で髪に栄養を届けるのが一番確実な方法なのです。
髪に良い食べ物
髪の毛は、何から出来ていると思いますか?
髪の毛を構成している大部分は、タンパク質です。
ですから当然タンパク質をたくさん含んでいる食物は、髪に良いと言えます。
肉類
(タンパク質の量はすべて100g中の数字です)
牛肉(すべて脂身なしの赤肉)
かた肉、もも、ヒレとありますが、タンパク質の含有量は、かた肉20.2g、もも肉が21.3g、ヒレ肉が19.1g
牛の赤身には、ヘム鉄という血液中で酸素を供給するヘモグロビンの生成にかかわる物質が多く含まれています。
髪に栄養を供給するのは血液ですが、髪の根元につながる血管はとても細く赤血球が1個づつしか通れないほどなので、血行を良くすることは髪の健康にとても大切なのです。
豚肉(すべて脂身なしの赤肉)
かた肉20.9g、ロース肉22.7g、ロース肉22.7g、もも肉21.9g
鶏肉
胸肉(皮なし)23.3g、もも肉(皮なし)19.0g
鶏肉は、皮ありとなしでは脂質の量が大きく異なりますので、皮なしを選ぶのがベストです。
魚介類
(すべて100g中のタンパク質の数字です)
鮭
22.3g
たら
17.6g
タンパク質の割には脂質が少ない(1%未満)のでお勧めです。
タイ
20.6g
こちらも脂質が少なくうまみ成分が多いので、お勧めです。
アジ
19.7g
必須アミノ酸やカルシウムも豊富です。
サバ
20.6g
高たんぱくですが高脂質でもあるので、注意が必要です。
まぐろ
26.4g
魚の中では抜群の高たんぱくで、低脂質です。
ブラックタイガー
18.4g
白身魚より低脂質ですが、タンパク質を多く摂取出来ます。
その他の食物
卵
卵はわずか1個(50g)の中に、タンパク質が何と6.2gも含まれており、その他にもビタミン、鉄、カルシウムなど栄養豊富です。
さらに、タンパク質の質の高さを表すアミノ酸スコアが100と非常に良質のたんぱく質なので、これを摂取しない手はありません。
大豆
畑の肉と言われる大豆ですから、タンパク質は肉類とほぼ同等です。
さらにアミノ酸スコアは卵と同じ100で、カルシウムも牛乳とほぼ同等です。
タンパク質以外で髪に必要な栄養素
今までは毛髪の原料となるタンパク質を多く含む食物を紹介してきましたが、その他にも必要な栄養素があります。
ビタミンC
摂取したタンパク質を、実際の毛髪に変える働きをします。イチゴ、レモン、ミカンなど。
ビタミンA
頭皮の乾燥やフケを抑え、健康な状態にします。ウナギ、ニンジンなど。
ビタミンB群
皮膚の新陳代謝を促すほか、異常な皮脂の分泌を抑えます。レバー、たまご、バナナなど。
ビタミンE
血管を広げる働きがあるので、栄養分を毛髪の根元まで届けます。トマト、かぼちゃ、さつまいもなど。
亜鉛
髪の色素を作るのを助ける働きがあるので、白髪の予防になります。牡蠣、ひじき、ゴマなど。
銅
タンパク質の結合を強化し、さらに白髪予防にもなります。牡蠣、アーモンド、枝豆など。
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髪に悪い食べ物
塩分が多い食物は高血圧や動脈硬化を促し、脱毛を促進します。
塩分を多く含んだ食物
(数字は塩分量)
カップめん5.5g、インスタントラーメン5.4g、梅干し1.8g、辛子明太子、塩サバ1.1g、塩さけ0.9g
動物性脂肪を多く含んだ食物
動物性脂肪が多い食品は、異常な皮脂の分泌を促し脱毛などを引き起こす恐れがあります。バター、レバー、魚卵、マヨネーズなど。
その他の髪に悪いもの
酒
アルコールは適量であれば悪い影響はありませんが、そうはいかないのが人の常。
大量にアルコールが体内に入ってくるとそれを解毒するために、肝臓は大量のアミノ酸を使わねばなりません。
アミノ酸は毛髪の原料にもなるものですが、髪の優先順位が低いので後回しにされ、髪は栄養不足に陥ります。
毎日お酒を沢山飲まれる方は、注意が必要です。
喫煙
タバコは食品ではありませんが、口にするものなので、ついでに書いておきます。
喫煙は血管を収縮させます。
毛髪の根元につながる血管はものすごく細いので、これ以上収縮すると栄養がいかなくなり、毛髪はやせ細り貧弱になってしまいます。
更に喫煙は、AGAという男性型脱毛症の原因になるジヒドロテストロンを増やします。
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まとめ
毎月来店して頂いていたお客様が、急に来店が途絶え、半年くらいしていらっしゃることがあります。
理由を尋ねると、「いやー実は○○が悪くなって手術して入院していたのよ」と言う答え。いざ髪を扱うと、以前より明らかに乾燥して細くなっており元気がありません。
やはり髪も体の一部、体調を崩せば髪もその影響を受けるものだと思いました。
健康な髪を保つためには、まず健康な体が必要なのです。
沢山の髪に良い食物を紹介しましたが、これらは髪に良いだけではなく、体にも良いものです。
偏食をせずに何でも食べて、塩分と脂肪が多い食品はできるだけ遠ざけて、健康な髪と体を作りましょう。
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